日本の神話に触れると、必ずセットで出てくる「高天原(たかまがはら)」と「天照大神(あまてらすおおみかみ)」。
「高天原に天照大神がいるのは分かるけど、具体的にどういう関係なの?」「天照大神って、高天原でどんなポジションなの?」
そんな基本的な疑問を、今さら人には聞きづらい…なんて思っていませんか?
大丈夫です!今日は、この神話の最重要キーワードである「高天原」と「天照大神」の関係を、誰にでも分かるように、超シンプルに解説していきます。これを読めば、神話の世界がぐっとクリアに見えてきますよ!
結論!高天原は天照大神が治める「神々の国」そのもの
まず、ややこしい話は抜きにして、一言で結論から!
高天原と天照大神の関係とは、ずばり「女王様とその王国」の関係です。高天原という神々が住む国の、最高神にして統治者が天照大神なのです。
高天原の最高神にして、太陽の女神
天照大神は、ただ高天原に住んでいる一人の神様ではありません。父であるイザナギノミコトから「高天原を治めなさい」と命じられた、正統な支配者です。
さらに、彼女は太陽を司る神様。太陽がなければ世界が成り立たないように、天照大神がいなければ高天原は成り立たない、まさに中心的な存在なんです。
高天原はアマテラスの「家」であり「職場」
高天原は、天照大神にとってプライベートな「家」であり、神々をまとめ、秩序を保つための「職場」でもあります。
彼女は高天原で神聖な衣を織り、田んぼを耕し、時には弟スサノオの起こした問題の後始末をするなど、国の統治者としての日々を送っていました。
つまり、高天原で起こる物語のほとんどは、統治者である天照大神の身の回りで起こる事件、と言っても過言ではないんですね。
高天原は、天照大神の「王国」。彼女は、父からその統治を任された、高天原の絶対的な最高神であり、全ての秩序の中心です。
神話で描かれる「一心同体」な高天原と天照大神
「天照大神が高天原の支配者」という関係は、神話の有名なエピソードを見ると、より深く理解できます。
もはや「一心同体」と言えるほど、両者は強く結びついているんです。

天岩戸神話:主を失った高天原の大パニック
最も分かりやすいのが「天岩戸(あまのいわと)」神話です。
弟スサノオの乱暴な行いに傷ついた天照大神が岩戸に隠れてしまうと、太陽神である彼女を失った高天原(そして全世界)は、光を失い真っ暗闇に包まれてしまいました。
国の統治者がいなくなったことで、高天原の秩序は乱れ、悪い神々の騒ぐ声で満ち溢れます。
このエピソードは、天照大神の存在そのものが、高天原の光であり、秩序そのものであることを、何よりも雄弁に物語っています。
スサノオ追放:高天原の秩序を守る統治者としての決断
天岩戸事件の原因を作ったスサノオを、高天原から追放するという決断を下したのも、統治者である天照大神を中心とした神々の会議でした。
これは単なる姉弟ゲンカの罰ではありません。高天原という「国」の秩序を乱した者に対して、統治者が下した公式な処分なのです。
ここからも、天照大神が私情だけでなく、公的な立場で高天原の平和と安定に責任を負っていることが分かります。
天孫降臨:高天原の権威を地上へ
高天原の統治を安定させた天照大神は、次に地上の世界(葦原中国)も、自分の子孫が治めるべきだと考えます。
そして、孫であるニニギノミコトに「地上の世界へ降りて、この国を治めなさい」と命令を下します。これが「天孫降臨(てんそんこうりん)」です。
高天原の最高神である天照大神の命令だからこそ、この出来事は絶対的な権威を持つのです。これは、高天原が日本の国の成り立ちの「指令室」であり、天照大神がその最高司令官であることを示しています。
神話のエピソードは、天照大神が高天原の光であり、秩序の守護者であり、地上世界の統治の根源であることを示しています。両者は切っても切れない関係なのです。
まとめ:天照大神は高天原の「太陽」そのもの
高天原と天照大神の関係、スッキリご理解いただけたでしょうか?
最後に、今日のポイントをシンプルにまとめておきましょう。
- 高天原は、天照大神が女王として統治する神々の王国。
- 天照大神は高天原の最高神であり、太陽の女神として光と秩序を司る。
- 天岩戸神話では、彼女の不在が高天原の危機に直結することが描かれている。
- 天孫降臨では、高天原の統治者として地上世界の統治まで命じる権威を持つ。
高天原という壮大な舞台があってこそ、天照大神という太陽の女神の物語は輝きます。そして、天照大神という絶対的な中心がいるからこそ、高天原は神聖な秩序を保つ国でいられるのです。
この「女王様と王国」という関係性を知っておくだけで、これから日本の神話に触れるのが、もっともっと面白くなりますよ!



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