高天原の悪神と呼ばれた存在とは?天津甕星やスサノオから「はみ出す勇気」を学んだ話

高天原

神様の世界にも「ヒール(悪役)」は存在する?

「神様はみんな優しくて、私たちを守ってくれる正義の味方」

そんなふうに思っていませんか?
私も以前はそう信じて疑いませんでした。しかし、高天原(たかまがはら)の神話を深く掘り下げていくと、そこには驚くべき「悪神(あくしん)」や、秩序を乱す「荒ぶる神々」の姿が描かれていることに気づきます。

彼らはなぜ、聖なる高天原で「悪」のレッテルを貼られてしまったのでしょうか?
調べてみると、彼らは単なる悪党ではなく、現代の私たちも共感できる「強すぎる個性」や「譲れない信念」を持った存在であることが分かってきました。

今回は、高天原を震撼させた「悪神」とされる神々と、私が彼らのエピソードから学んだ「はみ出し者の美学」についてお話しします。

1. 高天原史上最悪のトラブルメーカー「スサノオ」

まずは、高天原の悪役といえばこの方、須佐之男命(スサノオノミコト)です。
彼は「悪神」というよりは、あまりにもヤンチャすぎる「暴れん坊」として描かれています。

やってることが犯罪レベル?

スサノオが高天原で行った悪行は、今の基準で考えてもかなりハードです。

  • 神聖な田んぼのあぜ道を壊す。
  • 神殿に排泄物を撒き散らす(!)。
  • 皮を剥いだ馬を、機織り小屋に投げ込む。

「いやいや、さすがにやりすぎでしょ!」とツッコミたくなりますよね。
このせいで姉のアマテラスは岩戸に引きこもり、世界は闇に包まれました。結果、スサノオは高天原を追放され、髪を抜かれ、爪を剥がれるという厳しい罰を受けます。

しかし、私はこの話を読んで不思議と彼を嫌いになれませんでした。
彼は「マザコン」で母親(イザナミ)に会いたいと泣き叫び、その鬱憤を晴らすかのように暴れました。
その不器用で爆発的なエネルギーは、制御できない「思春期の衝動」そのもの。その後、地上で英雄になったことからも分かるように、大きなエネルギーは「悪」にもなれば「善」にもなるのです。

2. 最後まで服従しなかった星の神「天津甕星(アマツミカボシ)」

スサノオが「更生した不良」だとしたら、こちらは「最後まで屈しなかった反逆のカリスマ」です。
その名は、天津甕星(アマツミカボシ)。別名を天香香背男(アメノカガセオ)とも言います。

高天原の秩序を拒んだ「星」

国譲りの際、多くの神々が高天原の意向に従う中で、最後まで激しく抵抗したのがこの神様です。
彼は「星」の神格化だと考えられています。太陽(アマテラス)を中心とする高天原の秩序にとって、夜空に勝手に輝く星々は、管理できない「カオス(混沌)」の象徴だったのかもしれません。

最終的にタケミカヅチらによって討伐されてしまいますが、神話の中で唯一「悪神」と明記されることもある彼の存在感は圧倒的です。
「みんなが右を向いている時に、一人だけ左を向く勇気」。
組織の中で生きる私にとって、彼の孤独な戦いは、どこか憧れすら感じさせるものがありました。

3. 災いを生む神?「禍津日神(マガツヒノカミ)」

最後にご紹介するのは、災厄そのものを司る神様、禍津日神(マガツヒノカミ)です。
イザナギが黄泉の国の汚れを洗った際、その汚れた水から生まれました。

「悪いこと」も神様の働き?

名前の通り「災い(禍)」をもたらす神様ですが、神道では彼もまた重要な神として祀られています。
なぜなら、「悪いことが起きる」こと自体が、何かの警告であったり、次の幸運への前触れ(デトックス)であったりするからです。

マガツヒが生まれた直後に、それを直す神様(直毘神・ナオビノカミ)が生まれています。
「失敗や災難(マガツヒ)があるからこそ、それを修正して良くなる力(ナオビ)が働く」。
そう考えると、私たちに降りかかるトラブルも、成長のために必要な神様の配慮なのかもしれません。

私たちが「悪神」から学べること

私は仕事でミスをして落ち込んだり、周りと馴染めずに悩んだりした時、彼ら「悪神」のことを思い出して神社へ行きます。
茨城県にある「大甕(おおみか)神社」は、あの反逆の神・アマツミカボシを封印し、祀っている珍しい神社です。

そこで手を合わせると、こんな気持ちになれるのです。
「スサノオだって失敗したんだし、ミカボシだって周りと違っていた。だから私が少しくらいはみ出しても大丈夫」

日本の神話の懐が深いところは、こうした「悪」や「異端」を完全排除せず、神様として祀り、その力すらも味方につけてしまうところです。
あなたの中にある「ネガティブな感情」や「人とは違う部分」。それを無理に消そうとするのではなく、「これも私の中にいる荒ぶる神様なんだ」と認めてあげると、不思議と心が楽になりますよ。

まとめ:光が強ければ影も濃い

高天原の悪神についてご紹介しました。

  • 暴走するエネルギーの塊「スサノオ」
  • 秩序に抗う反骨の星「アマツミカボシ」
  • 災いという名の必要悪「マガツヒ」

彼らは単純な悪者ではなく、世界に変化をもたらすトリックスターです。
もしあなたが今、自分の性格や境遇に悩んでいるなら、彼らの物語に触れてみてください。その強烈な生き様が、あなたの背中をドンと押してくれるかもしれません。

関連情報:高天原の武神 最強は誰?タケミカヅチなど3柱の伝説と勝負運が上がる神社

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