高天原の神様の服装は?古代ファッション「貫頭衣」や「勾玉」から見る神話のスタイル

高天原

神様たちは、どんな格好をしていたの?

神社に行くと、神職の方や巫女さんが白い着物や袴(はかま)を着ているのを見かけますよね。
「高天原の神様たちも、あんな感じの服を着ていたのかな?」と想像したことはありませんか?

実は、古事記などの記述や考古学的な資料をヒントにすると、神話の時代のファッションは、現在の和服とは少し違う、もっと古代的でアクティブなスタイルだったことが見えてきます。

今回は、高天原の住人たちが身にままとっていた(とされる)服装やアクセサリーについて解説します。これを知れば、神話の読み方が変わるだけでなく、イラストを描いたり、コスプレをしたりする際の参考にもなるはずです。

基本はシンプル!「貫頭衣」と「袴」のアクティブスタイル

高天原の時代の服装は、弥生時代から古墳時代のスタイルがベースになっていると考えられています。現代の着物(小袖)のように何層にも重ねて帯で締めるものではなく、もっと動きやすい構造でした。

1. 頭からスポッとかぶる「貫頭衣(かんとうい)」

最も基本的なトップスが「貫頭衣」です。
これは、大きな布の真ん中に穴を開けて、頭からスポッとかぶるだけの非常にシンプルな服。腰の部分を紐や帯でキュッと結んで着ていました。

「えっ、原始人みたい?」と思うなかれ。素材は麻や絹(蚕の繭から作った糸)などが使われており、神様によっては美しく染色されたものや、織り柄が入った高級なものを着ていたとされます。
風通しが良く、手足が動かしやすいので、田植えをしたり機織りをしたりする高天原の生活にはぴったりの機能美あふれる服だったのです。

2. 男性は「美豆良(みずら)」、女性は「垂髪(すいはつ)」

服装以上に特徴的なのが髪型です。

  • 男性:美豆良(みずら)
    髪を真ん中で分け、耳の横で輪っかを作って結ぶスタイルです。埴輪(はにわ)や聖徳太子の肖像画で見たことがある人も多いはず。
    実はこれ、ただのデザインではなく、髪に植物のツルや布を巻きつけることで、頭部を守ったり、霊力を込めたりする意味があったとも言われています。
  • 女性:垂髪(すいはつ)や結髪
    長く伸ばした髪をそのまま背中に垂らしたり、頭の上でまとめたりしていました。櫛(くし)を挿すことも多く、この櫛には「魔除け」の力が宿ると信じられていました。スサノオがクシナダヒメを櫛に変えて髪に挿して戦ったエピソードは有名ですよね。

最強のアクセサリー「勾玉」と「鏡」

現代の私たちにとってアクセサリーは「おしゃれ」ですが、高天原の神々にとっては「命を守る装備品」でした。

魂の形?「勾玉(まがたま)」

三日月のような形をした石、勾玉。これは単なるネックレスのトップではありません。
その形は「胎児」や「魂」を模しているとも言われ、身につけることで「生命力を高める」「魔を寄せ付けない」という強力な呪術的効果が期待されていました。

アマテラスやスサノオも、たくさんの勾玉を連ねた飾り(八尺瓊勾玉など)を身につけています。ジャラジャラと音を立てることで、その音が魔除けになるとも考えられていたようです。

権威の象徴「鏡」と「剣」

また、首から鏡を下げたり、腰に剣を帯びたりするのも神々の正装です。
特に鏡は、太陽の光を反射することから、太陽神であるアマテラスの象徴ともされます。「おしゃれ」というよりは、自分のステータスや霊力を可視化するための「パワーアイテム」だったのですね。

アマテラスの「男装」エピソードがかっこいい!

神話の中で特に印象的な服装の描写といえば、アマテラスとスサノオの対決シーンです。

弟のスサノオが高天原に攻めてきたと勘違いしたアマテラスは、なんと「男装」をして迎え撃ちます。

  • 髪を解いて「みずら」に結い直す。
  • 勾玉の飾りを髪や腕にこれでもかと巻きつける。
  • 背中に矢筒を背負い、弓を持つ。

普段の優美な女神の姿から、勇ましい戦士の姿へ。「服装を変えること」が、そのまま「戦う覚悟」を表している素晴らしいシーンです。
「服には魂が宿る」という古代の人の感覚が、ここによく表れています。

まとめ:神様のファッションは「機能」と「祈り」

高天原の神様の服装について解説しました。

  • 基本は動きやすい「貫頭衣」スタイル。
  • 髪型の「みずら」「櫛」には意味がある。
  • 「勾玉」は最強の魔除けアイテム。

次に神社の埴輪を見たり、神話のイラストを見たりするときは、「あ、この勾玉にはこんな意味があるんだな」「この服なら動きやすそうだな」と想像してみてください。
神様たちが、遠い存在ではなく、私たちと同じように「今日何着よう?(=どうやって身を守ろう?)」と考えていたリアルな存在として感じられるはずです。

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