毎日のお茶碗一杯のご飯、ルーツは「空の上」にある?
今日も一日お疲れ様でした。夕食に炊きたての白いご飯を食べると、ホッと一息つけますよね。
私たちが当たり前のように毎日食べているお米。実は、このお米のルーツが、神々の住む世界「高天原(たかまがはら)」にあるということをご存知でしょうか?
「神話の世界で農業?神様も畑仕事をするの?」と驚くかもしれません。私も古事記や日本書紀を読むまでは、神様は雲の上で優雅に過ごしているものだと思っていました。
しかし、神話の世界を覗いてみると、高天原は驚くほど「農業」と密接に関わっており、神様たちも泥にまみれて働いていた(?)様子が描かれているのです。
今回は、高天原と農業の深いつながりと、それを知ったことで私の毎日の食事がどう変わったかをお話しします。これを読めば、明日の朝食のご飯が、いつもより何倍もありがたく、美味しく感じられるはずです。
高天原の正体は「巨大な農村」だった!?
高天原について書かれた文献を読み解いていくと、そこが単なる雲の上の宮殿ではなく、豊かな水田が広がる場所として描かれていることに気がつきます。
一説によると、古代の日本人は、自分たちの理想とする豊かな農村の姿を空の上(高天原)に投影したのではないかと言われています。つまり、「農業こそが最も尊い行いである」という考え方が、神話のベースにあるのです。
アマテラスは農業の責任者?
高天原のトップである天照大御神(アマテラスオオミカミ)は太陽の神様ですが、同時に「農業の神様」としての側面を強く持っています。太陽の光がなければ、作物は育ちませんからね。
面白いのは、神話の中で弟のスサノオが高天原で大暴れした際のエピソードです。スサノオは、田んぼのあぜ道を壊したり(畔放ち)、用水路を埋めたり(溝埋め)といった嫌がらせをします。
現代で言えば、会社のサーバーをダウンさせるような重罪です。当時の人々にとって、農業の妨害がいかに許しがたい悪行だったかがよく分かります。アマテラスが岩戸に引きこもってしまったのも、大切な田んぼを荒らされたショックが大きかったからだと言われています。
神様が孫に託した「お米の種」の物語
そして、最も重要なエピソードが「斎庭(ゆにわ)の稲穂の神勅(しんちょく)」です。
アマテラスの孫であるニニギノミコトが、高天原から地上(日本列島)へ降りてくる際、アマテラスは彼に「神聖な田んぼで育てた稲穂」を手渡します。
「このお米を育てて、地上の人々を養い、豊かな国を作りなさい」
そう言って託されたお米が、現在私たちが食べているお米のルーツとされているのです。
つまり、日本神話において、稲作は単なる労働ではなく、「神様から託された尊い使命」なのです。この話を知ったとき、私はスーパーに並んでいるお米パックを見る目がガラリと変わりました。「この一粒一粒に、数千年の神話のドラマが詰まっているんだ」と。
現代にも続く「神様と農業」のつながりを感じてみた
「でも、それって大昔の伝説の話でしょ?」と思うかもしれません。しかし、高天原の農業の伝統は、現代の日本にもしっかりと受け継がれています。
神社の「神饌田(しんせんでん)」での発見
私は先日、伊勢神宮や近くの大きめの神社を訪れた際、境内の近くに「神饌田」と呼ばれる特別な田んぼがあるのを見つけました。
これは、神様にお供えするためのお米を作る専用の田んぼです。昔ながらの無農薬で、神職の方々や地元の人々が丁寧に苗を植え、収穫しているそうです。
風に揺れる黄金色の稲穂を見て、私は「あ、高天原の景色って、きっとこんな感じだったんだろうな」と直感しました。私たちが忘れてしまいがちな自然への感謝や、作物が育つことへの畏敬の念が、そこには確かに残っていたのです。
宮中行事「新嘗祭(にいなめさい)」の本当の意味
毎年11月23日は「勤労感謝の日」として祝日になっていますが、もともとは「新嘗祭」という、今年とれた新しいお米(新穀)を神様にお供えし、天皇陛下が自らも食して感謝する日でした。
これも、高天原から続く「農業への感謝」の儀式です。
以前の私は「勤労感謝の日は、仕事が休みになってラッキー」くらいにしか思っていませんでした。でも、そのルーツを知ってからは、11月23日には必ず「新米」を買ってきて、家族で食べるようになりました。「今年も美味しいお米が食べられて幸せだね」と話しながら食べる新米は、本当に格別の味がします。
「いただきます」の言葉に込める想い
私たちが食事の前に言う「いただきます」という言葉。
動植物の命をいただくという意味はもちろんですが、そこには「神様が育ててくれた恵みをいただく」という意味や、「お米を作るために汗を流してくれた農家の方々への感謝」も含まれているのだと思います。
神話を学んでから、私の日々の暮らしは少し丁寧になりました。
急いでいるときでも、お茶碗を持つときにほんの一瞬、「太陽の光と、水と、作ってくれた人に感謝しよう」と心の中で思うようにしています。不思議なもので、そう意識するだけで、心が少し豊かになり、焦っていた気持ちが落ち着いてくるのです。
高天原の神様たちが大切に育て、地上に託したお米。それは、私たちのお腹だけでなく、心も満たしてくれるエネルギーの源なのかもしれません。
まとめ:食卓と高天原はつながっている
高天原と農業の関係についてお話ししました。
- 高天原は、豊かな水田が広がる「理想の農村」だった。
- お米は、アマテラスが地上に託した神聖な作物(斎庭の稲穂)。
- その精神は、神社の神饌田や新嘗祭として今も生きている。
難しい歴史書を読まなくても、目の前にあるご飯を「美味しい」と味わって食べること、それが一番の神事(かみごと)なのかもしれません。ぜひ今日の夕食は、神話のロマンに思いを馳せながら、お米の甘みをじっくりと味わってみてくださいね。


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